横浜　野毛散策

　今回はJR根岸線桜木町駅をスタートし野毛山付近を散策しました。
　日本の鉄道の歴史はこの横浜（桜木町）と東京・新橋間の鉄道開通（２８．８ｋｍ）から始まりました。
　桜木町駅は、明治５年（１９７２年）に開通した時の始発駅であり、当時は横浜停車場と呼ばれていましたが、その後２度駅は移転し現在の横浜駅になりました。
　ＪＲ根岸線桜木町駅から、野毛大通りを京急本線日ノ出町駅方面に向かうと、途中には大衆芸能の専門館「横浜にぎわい座｝があり、少し先野毛三丁目近くにはＪＲＡウインズ横浜（日本中央競馬会の場外馬券場）があります。
　このウインズ辺りは、終戦間もない頃は、横浜国際劇場やマッカーサー劇場などの映画館があり、大いに賑わい、美空ひばりもこの横浜国際劇場のステージから本格デビューしていったとのことです。
　ここ野毛は、桜木町駅と大岡川そして野毛山に囲まれた、ほぼ扇状地に広がっている街であり、毎年四月に行われる野毛大道芸まつりでも知られています。
　今では野毛の街に止まらず、みなとみらい地区迄にも及び、すっかり横浜の名物イベントとなっています。
　野毛の街を一口で言うならば盛り場と云う形容が相応しく、日が暮れてからの時間こそがその本領を発揮する街でもあり、横町には小料理屋、居酒屋、すし屋などが軒を並べている庶民的な親しみのあるレトロな街でもあります。

　日ノ出町から野毛坂を少し上ると横浜中央図書館があり、その角を左に曲がれば木立に囲まれた緑濃い野毛山公園そして野毛山動物園へと続きます。
　公園、動物園に行くのは後回しにして、更に緩やかな坂、「野毛の切通し（東海道と横浜港を結ぶ為に野毛山を切通して作った横浜道：よこはまみち）」を通って、伊勢山皇大神宮へと向かいました。
　伊勢山皇大神宮は、天照大御神を祀り横浜港を見下ろす高台にあり、樹木に囲まれた静かな佇まいの中にあり、横浜総鎮守・関東のお伊勢さまとして親しまれています。
　皇大神宮の裏参道から左程離れていない所に横浜能楽堂、隣接して掃部山（かもんやま）公園があります。
　公園には１９９４年（昭和２９年）に再建された、正四位上左近衛中将の正装に身を包んだ大老井伊掃部頭直弼の立像が海を眺めるように建っています。


野毛の切通し


伊勢山皇大神宮は天照大御神を祭神とし、「関東のお伊勢さん」と呼ばれている。

境内からはランドマークタワーも眺められる。ここは桜の名所としても知られる。


掃部山公園に建つ井伊直弼像旧彦根藩有志が旧藩主であり横浜港開港の立役者である井伊掃部頭直弼の功績を顕彰するために、明治１７年にこの地一帯を購入し、開港５０周年記念に当たる明治４２年に銅像を建立した。今建つ像は２代目で昭和２９年に建立された（案内板より）。

左は横浜能楽堂、右は横浜港を眺めるように建つ井伊直弼の銅像。

　元の野毛の切通しを通って野毛山公園に向かいました。野毛山公園は桜の名所としても知られています。「野毛山」と云う名の通り公園は小高い丘の上にあり木立に包まれた緑濃い公園です。
　園内に入ってすぐの散策路の傍らには、中村汀女の句碑があり、更に散策路を辿ると横浜の開港を推進した佐久間象山顕彰碑があります。
　公園を出て交差点を渡ると野毛山動物園の入り口です。入場料が無料は有り難い。
　園内は緑に覆われ起伏に富んだ丘陵の地形の中にライオンやレッサーパンダなど１００種類以上の動物が飼育されています。
　また動物園の片隅には、昭和４６年まで横浜市内を走っていた当時の市電が一両展示され車内の椅子に座って休息することが出来ました。


緑濃い野毛山公園の散策路

左は佐久間象山顕彰碑、右はＮＨＫが昭和７年ラジオ聴取契約１００万人を超えた記念のラジオ塔です。


動物園入り口

訪れたのは午後１時過ぎ動物たちの昼食タイム。飼育員さんが動物の習性などや行動などいろいろ説明してくれました。ライオンやトラは昼寝の時間かと思いきや檻の中をぐるぐる動き回り写真を撮るのに一寸手こずりました。

園内通路には数種のクジャクが放し飼いされ、あちこちで来園者に羽を大きく広げゆっくり廻りながら美しさを自慢しているようでした。

横浜市内の主要交通乗り物であった当時の市電が展示されている。

人気者のレッサーパンダ。一時もじっとしていない。