〜神話のふるさと出雲を訪ねる〜
(その一)
出雲大社の創建については、日本最古の歴史書と云われる「古事記(712年)」にも記されていると云われる古社です。 主祭神は、縁結びの神、福の神として名高い「大国主大神(おおくにぬしおおかみ)」です。 大きな袋を肩にかけ、ずきんを被り、右手には打出の小槌を持って、米俵の上に立つ福徳の神様「だいこく様」としても、広く人々に親しまれ慕われています。 ご本殿は270年前の1744年に造営され、これまでに3度の遷宮が行われ、2008年からは「平成の大遷宮」として、修造・改築が始まり、昨2013年5月10日にこれらの修造を終え御仮殿(拝殿)に遷座されていた祭神が、5年ぶりに「本殿遷座祭」を経て本殿に還られました。 今年は遷宮の翌年「おかげ年」に当たり、神様から特別なご利益(おかげ)を授かる有り難い年とも云われています。 旧暦の十月、出雲大社には日本中の八百万(やおよろず)の神々が参集され、本殿両脇に建つ東西の十九社を宿として、人生諸般のことについての会議「神儀(かみはかり)」が行われ、縁結びについても議題の一つになると伝承されています。 このため、十月は神々が不在となるため一般には「神無月(かんなづき)」と云いますが、出雲の地に限っては「神在月(かみありづき)」と呼ぶそうです。 出雲大社の拝礼作法は一般神社とは違い、二拝四拍手一拝と独特の拝礼で行います。 ここ出雲大社が建つ出雲の地は神話のふるさとと云われ、因幡の白兎神話、稲佐の浜の国譲り神話など数々の神話が伝承され、パワースポットも数多くあり魅力ある観光地として全国各地から多くの人が訪れています。 |
出雲大社に翻る 国旗と掲揚塔 |
旗の大きさは縦9m、横13.6m(畳75畳分)、掲揚塔の高さは47m、かつてはこの高さの位置に本殿があったと云われる。 国旗掲揚塔の後方には神楽殿があり「国引き神話」の象徴、大注連縄(おおしめなわ)があります。 |
出雲大社象徴の一つ神楽殿の大注連縄 |
注連縄の長さ13.5m、重さ4.4t、太さは8mあるという。 |
松の参道 |
出雲大社の正門木の鳥居をくぐると一直線に拝殿まで松並木の参道が続く。松並木には3本の道があり、昔は皇族や殿様だけが中央の道を歩き、一般の参拝者は両側の道しか歩くことが許されなかったと云われる。 |
手水舎の手前、参道両脇には大国主大神がウサギを助ける様子を表している「御慈愛の御神像」と「ムスビの御神像」があります。 |
銅鳥居と後方は拝殿 |
松の参道には鉄の鳥居そして神域の入り口にはわが国最古の青銅の鳥居があります。 |
拝殿 |
「平成の大遷宮」中は御仮殿として大国主大神様が鎮座されていました。 造りは大社造りと切妻造りの折衷した様式で屋根は銅板、木曽檜材の木造建築で、建坪約147坪、高さは12.7メートル 。注連縄は長さ6.8m、重さ1t。一般の神社の注連縄とは逆向きなのが特徴です。 |
ご本殿前の八足門(やつあしもん) |
拝礼の長い列が続く。 拝礼は手を合わせ自分の住所と名前、参拝の御礼。そして最後にお願いごとをします。 |
八足門(上)と本殿屋根を望む |
緑濃い八雲山を背に建つご本殿には大国主大神様がお鎮まりになっておられます。ご本殿は大社造りで国宝に指定されています。 神社建築では日本一を誇り、高さは24m、厚い檜皮葺きの屋根の棟の上には長さ7.9mの二組の千木が交差し、上方に開いている穴は大人一人が潜り抜けられるほどの大きさだと云われる。 |