足立美術館の日本庭園


〜 山陰駆け足旅日記 〜

 足立美術館は島根県安来市にあります。創設者は地元出身の実業家足立全康氏で1970年(昭和45年)に開館しました。
 
館には横山大観をはじめとする日本有数の近代日本画のコレクション、陶芸、そして5万坪にも及ぶ広大で優美な日本庭園があります。
 氏の言葉に「庭園もまた一幅の絵画である」と云うのがあるそうですが、庭園をこよなく愛し、91歳で亡くなるまで、全国を歩き植栽の松や石を蒐集し、庭造りに情熱を傾けていたという。
 庭園は、アメリカの日本庭園専門誌で桂離宮を抑えて11年連続して日本一に選ばれ、フランスの旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポーン」などでは、3つ星(最高評価)の評価を受けていると云うことです。
  本館の入口から順路に沿って進むと美しい杉苔とアカマツで構成された「苔庭」、さらに進むと足立美術館の主庭で緑と中央の立石で森や山を表現した「枯山水庭」、館内の窓をそのまま額縁に、まるで生の額絵を見ているかのような「生の額絵」、続いて「鶴亀の滝」、そして「池庭」へと続きます。
 足立美術館の名物の一つ縦長の床の間に山水画が掛かっているように見える「生の掛軸」、最後は横山大観の名作「白沙青松」をイメージして造られたという「白砂青松庭」、これらの庭は建物の中からすべてガラス越しの眺めです。

 この6つの庭園は春夏秋冬それぞれに趣の違った素晴らしい景観を呈し、自然と人工の美を飽きることなく眺めることが出来ます。

 庭園を見た後、階段を上った2階には横山大観を始め、竹内栖鳳、川合玉堂、上村松園など近代日本画壇の巨匠たちが描き出した素晴らしい日本画、河合寛次郎と北大路魯山人の2巨匠の陶芸作品、そして新館では童画などを鑑賞することが出来ました。



 
 足立美術館本館入口
 本館入口横にはお客様を最初に迎える「歓迎の庭」があります。
 
 苔庭
杉苔と赤松を主体に造られた京風の雅な庭園です。緑の苔と白砂の白の対比が美しい。
また、樹木はすべて斜めに植えられている。これは山の斜面に生まれ育った木のことを考えてのことだそうです。
 
 
 枯山水庭
水を使わず、石の組み合わせや地形の高低だけで山水を表す伝統的な手法を用いた自然との調和が美しい足立美術館の主庭です。
自然の山を借景とした造りで画面中央の立石は峻厳な山をイメージし、そこから流れる水がやがては大河となって流れる雄大な様を表現しているのだという。
ここでは、春はさつきやツツジ、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と四季折々に変わる風情を存分に満喫できるという。 
 
 
生の額絵
窓枠が”額縁”のようになって、ガラス窓の向こう側がまるで絵の様に見える枯山水庭。
 
 
 池庭
豊かな清み切った湧水にたたえられた池を悠々と優雅に泳ぐ鯉。池に架かる石橋、配された石や樹木、石灯籠など周りとの調和を考えて作られています。 
 
 生の掛軸
床の間の壁をくり抜いて、あたかも一幅の山水画が掛かっているかのように庭園を見ることが出来ます。このスポットも足立美術館の名物の一つになっています。 
 
 白砂青松庭
横山大観の名作「白沙青松」をイメージして造られた庭園で、白砂の丘陵には、大小の赤松、黒松を配し見事な調和美を生み出しています。 
 
 茶室 寿楽庵入口
 庭園を眺めながらの喫茶室や茶室桂離宮「松琴亭」を模して造られた寿立庵などもあります。



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