北陸小旅行記


 2015年9月下旬、初めて北陸新幹線を利用し福井県の芦原(あわら)温泉に2泊し、隣の三国町の散策、永平寺の拝観、金沢の観光を行うささやかな旅に出かけました。
 その折に撮りました写真を主体に旅のご紹介をさせていただきます。

 始めは三国町です。この町は九頭竜川の河口に開けた港町で古くは北前船の寄
港地として栄えましたが、陸運の発達により舟運が衰え町も寂しくなり現在は小さな漁港が残されています。

しかしながら、町には古くからの家並みや寺社が当時のまま残されています。


 和菓子店
名物の「鶯餅を商なんでいます。このお店だけでなく近くの旅館などへも届けているようです。
 
 道具店
縦書きの金看板には屋号に並んで「新古美術品」「骨董書画」の文字が目立ちます。 
 
 旧森田銀行
近代的なレンガ造りの建物です。左隣の建物は山車蔵です。 
 
 
銀行の正面 
凝った装飾と右書きの看板が珍しく感じられます。 
 
 
銀行の内部 
正面側は吹き抜けになっていて天井の装飾は当時の左官職人の匠ぶりが偲ばれます。 
 
高見 順の生家 

昭和を代表する作家、高見 順の生家で2歳までこの家で過ごしました。
現在は表具店となって玄関前に説明板が置かれています。


 翌日は地元の私鉄「えちぜん鉄道」の電車を利用して永平寺へ出かけました。
 
永平寺は13世紀道元禅師により開かれた座禅修行の道場で大本山の称号を有します。境内には幾つもの建物(伽藍と称します)がありますがこれらは全て屋根付きの回廊で結ばれ積雪期でも容易に往来できます。
 このため拝観者も入り口で一度履物を脱げば
出口までそのまま伽藍を巡ることができます。回廊の床は毎早朝に修行僧による「雑巾がけ」でピカピカに磨き上げられており、拝観者は順路に従い静粛に移動します。
 
拝観入り口を通る頃から雨が降り始め、雨に濡れた伽藍の屋根瓦の光沢が美しく見えましたのでその様子をご覧に入れましょう。
 
なお、拝観に当たっては僧に直接カメラを向けること及びフラッシュの使用は厳禁です。


境内へ続く路
杉木立に囲まれた境内は厳かな雰囲気に包まれています。 
 
法堂(はっとう)の縁側
左手の法堂内では各種の法要が施行されており拝観者も末席で見学することができます。 
 
仏殿

永平寺の中心でご本尊「釈迦牟尼仏」を祀る伽藍です。正面は大庫院(だいくいん*食事を司る処)です。

 
雨に光る屋根
斜面に並ぶ伽藍に雨が降り光沢を増した屋根瓦が緑に映えます。
 
石垣と階段 

斜面に配置された伽藍は強固な石垣に護られ、伽藍と伽藍の間は緩い階段と屋根付きの回廊で結ばれています。

 
 
 報恩塔
杉の大木の基にひっそりと佇む六角形の納経塔です。 


 次の日は帰京です。朝方に芦原温泉を出発して10時ごろ金沢駅に着きました。
 予定の
列車の出発までの間を雨の金沢見物へ出かけました。始めに兼六園と金沢城を訪れました。


 ことじ灯篭

名所となっていることじ灯篭です。「ことじ」とは琴の胴の上で弦を支える用具を指し、灯篭の支柱がこれに似ているので呼称されています。

 
 池の中の支柱
 兼六園には松の銘木が沢山あり良く手入れされています。この松の木は池の水面を覆うように枝を伸ばし、これを支える支柱が池の中に何本も打ち込まれています。
 
 石川門の石川櫓
兼六園を出て石川橋を渡ると金沢城の裏門にあたる石川門に突き当ります。石川櫓はこの門に付随する建物です。
 
 石川門

ご覧のように頑丈な造りの本格的な城門です。石川櫓と同様に純白漆喰で美しく仕上げられています。


 金沢城見物の後、兼六園近くの和食店でゆっくり昼食を楽しみ、ひがし茶屋街へ向かいました。


 ひがし茶屋街@

ご覧のように格子と板塀で構成された建物が並ぶ路地です。料理屋、産店などが商いをしています。

 
 
 ひがし茶屋街A
 路地の曲がり角に1本の柳がありました。雨の中少し寂しげに感じられます。


以上で北陸小旅行記を終わらせていただきます。ご高覧ありがとうございました。


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